観客の疲れと不満の中、出演者であるJ太郎がとった行動に観客は・・・
ただ、開催時間が短くなったところへ残っていた人がみんなでやったから、持ち時間は短かったと思うんですよ。それで盛り上がりにも欠けていたような気がしたんですよね。
お客さんが若干、疲れと不満がたまってきているような気はしましたんでね。なので、全裸で出ていったんですよ(笑)。あ、上着だけ着ていたのかな? 下は裸だった。見えないようにはしていましたよ、僕もまだ前科はありませんので。
なるべく生涯、清い体のまま終えたいとは思ってますんでね。ただそれでね、お客さんが“吹っ切れた”じゃないですけど、若干“空気が動いた”っていうのは感じましたね(笑)。
その時に思ったのが、これだけの広い会場で結局中止になってるけど、この手のイベントは中止になった時にものすごいお金がかかるんじゃないか? と思ったのは覚えいますね。
だから開催する人もね、シャレでやってるんじゃないな、とは思いましたよね。どうしても人が集まっていると賑やかで、お祭りみたいで「別にいいじゃん、儲からなくても」ぐらいに思ってしまいますけど、いざ中止になってアレを見るとね、「ああ、これはみんなちゃんとやってんだな」と思ってね。それで割と印象に残っていますね。
で、僕らの後に世界的なDJの方が出てこられたんですが、まぁもちろんね、そっちのほうが盛り上がっていましたよ(笑)。ジェフ・ミルズって方が出たんですよね(※編注:米デトロイト出身のテクノ・アーティスト)。その夜、しつこく色んな人から聞きましたから名前も覚えました。
あと、会場内に閉鎖された場所があったんですけど、中止だから真っ暗なんですよね。雨は止んでたんですが、風がわぁっと吹く中で、全裸になって走ったりしたんですよ(笑)。それも思い出に残ってますねえ。
本当だったら、人がたくさん来ているから裸にはなれないんだろうけど、今この場所に人がいたのかと思うとね……。
まあ、たいしたオチのある話でもないんですけども(笑)。
杉作J太郎
男の墓場プロダクション局長、現代芸術マガジン編集長、東映チャンネル放送委員、映画「チョコレートデリンジャー」製作中!著書「ボンクラ映画魂完全版」発売中(徳間書店)