SKULLSHIT 20th ANNIVERSARY 骸骨祭り
2016年12月3日(土)4(日) 幕張メッセ国際展示場
9:00 開場 / 11:00 開演
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世間的に「情けない」「女々しい」ことは「かっこ悪い」ことで、バンドが歌の題材に使うことはあまりない。だが、そういったことをこれでもかと包み隠さずストレートに叫び続け、そのあまりにも開けっ広げでぶちまけるスタイルが、1周回って共感を呼んでしまう…。My Hair is Badをライブで見た人は、そんな感覚を覚えるのではないだろうか。
全国津々浦々を行脚し年間なんと150本を超すライブをやってきた彼ら。ただひたすらに呼ばれる場所へと足を運び、ライブを研鑽し続けてきた本気のインディーズスタイル。
初めはただ聞いていたMCも、ボーカル椎木のガチ過ぎるテンションに、いつの間にか引き込まれてしまう。曲の演奏中にも、熱すぎる気持ちが溢れだしてしまったかのようにアドリブでバシバシと歌詞を変えてくる。
そんな生120%のライブの評判が、お客さんだけでなく対バンしたバンドの間でも口コミで広がっていき、遂に今年メジャーデビューを果たした。さらには各大型フェスへの初出演を決めるなど、今年一気にブレイクの階段を駆け上がっている。
My Hair is Bad – 元彼氏として
元カノに対して物を申す歌、その名も「元彼氏として」。今の彼氏への悪口から始まり「どうなの?」と問いかけ「俺のほうが良いだろう」と、普通は頭の中だけに留めておくような妄想を爆発させた名曲。これを「痛い」「キモイ」と一言で片づけるのは簡単だが、曲を聴いた後には、そこまで言わせる元カノを一目拝みたくなってしまっているから不思議だ…。そこまで引きずり込む詩世界に脱帽である。
My Hair is Bad – 真赤
「ブラジャーのホックを外す時だけ」という印象的なパンチラインから始まる「真赤」。インディー最後の作品「一目惚れ e.p.」に収録されたこの曲も、元カノと思われる女子のことを歌っており「女々し」くはある。だが、今までのストレートな表現とは打って変わって、文学的な詩で築き上げられた繊細な世界観が切なく胸を打つ。かき鳴らされたギターが響き渡るエモーショナルなサウンドと相まって情緒を帯びた曲は、彼らの人気を決定づけた。
My Hair is Bad – 戦争を知らない大人たち
メジャーデビューシングル「時代をあつめて」収録。「一目惚れ e.p.」同様、歌詞はストレートな表現ではなく抒情的路線をより追求。さらに、ポエトリーリーディングのような歌唱法によってボーカルはメロディーを削り、より言葉と詩を浮かび上がらせた。かなり野心的な挑戦だが、淡々とテンポよく発される言葉たちからは、より言葉の力に強い自信を持ったことが伝わってくる。メジャー進出1発目に、この曲を持ってきた彼らの気概に拍手を送りたい。
My Hair is Bad – 告白
最新アルバム『woman’s』収録の「告白」は、わずか2分27秒という疾走感に溢れたショートチューン。曲のテンポだけでなく、適度に踏まれた韻、そして曲への乗せ方にも創意工夫が詰められており、曲は爽快を超えて快感の域にまで達している。「戦争を知らない大人たち」で見せた歌詞の力はより一層強固なものとなり、バンドとしての進化を否応なく感じさせてくれる。
My Hair is Bad – 恋人ができたんだ
豊富なアイディアが詰め込まれて作られた最新アルバム『woman’s』は、成長期真っ最中かと思わせるくらいバンドの飛躍が伝わってくる。バンドの感性や姿勢は変わらないが、勢い、自信、そして挑戦する気持ちに溢れている。「恋人ができたんだ」ということを前の彼女に語り掛けるこの曲は、彼らが今まで得意としてきたストレートな表現の恋愛ソングだが、昔のままというわけではない。まさかのストリングス・アレンジで情緒さをより濃厚に打ち出し、今までとは一味違った切なさを醸し出している。
My Hair is Bad コメント
骨の髄までシャブリ尽くしてやるぜ
椎木知仁