<杉作J太郎とヒップホップ>ライブ中にいきなりバトルを仕掛けられたJ太郎はその時!?「仕組みが分かりませんでした」【杉作J太郎の音楽電気風呂 第6回】

コラム | 2016.09.25 18:00

悪口はオープンに言えば言うほどケンカにならない!

あと“罵り合い”っていうのは、やっぱり面白いですよね。悪口っていうわけじゃないけど、人を口撃するのは、やっぱり一つの娯楽ですよね

ヒップホップの世界の人たちが今、“バトル合戦”みたいなことをしてますけど、あれは多分、やらなかったらもっと揉めるんでしょうね。やっぱり悪口はオープンに言えば言うほどケンカにならないですよぜんぜん人がいない、絶対に届くはずのないところでコソコソ言ってるから揉めるのであって。そういう意味で言いますと、目の前で面と向かって言うのがいちばん揉めないでしょう。まぁ揉める場合もありますけどね(笑)。

逆に、褒め合うっていうのは限界がありますよね(笑)。たとえば容姿ひとつとっても、褒めるところはそんなに無いわけじゃないですか。悪口は言おうと思えばナンボでも言えますから。だから、もっと悪口を蔓延させていきたいですね、本当に。ヒップホップのおかげで不良性を持ったラッパーたちが悪口を言いまくって、バトルすることによってね、もしかしたら日本の文化に大きな風穴が空くくらい変わるんじゃないかと思ってます。

悪口に関して、みんなが寛容になってくるんじゃないかなと。今までだとね、例えば「あいつがハゲって言ってたぞ」って聞いただけでね、「もう一生口きかない!」ぐらいの世の中だったと思うんですよ。それはちょっと、悪口に対して感受性が強すぎやしないか? と自分が悪く言われても、もうちょっと適当に聞こうや! みたいなね。そんなタフな気持ちがないと、これからのネット社会は生きていけませんから。

なんで傷つくかっていうと、褒める文化の中で生きてきたからですよ。悪口を言う文化の中で生きてきたら何ともないですよ。だから僕らは「周りの人たちの悪口を言いまくろう!」っていうイベントを何回か企画したことがあるんです。特に誰ってことではないんですけどね(笑)。結局、都合4回くらい<新宿ネイキッドロフト>で企画を組んでもらったんですけど……誰も一言も言えませんでしたね。

やっぱり悪口文化はまだまだですよ。ちょっとまだ言えない。お客さんも含めて、もうちょっと悪口を欲しがってくれ! っていう(笑)。

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杉作J太郎

男の墓場プロダクション局長、現代芸術マガジン編集長、東映チャンネル放送委員、映画「チョコレートデリンジャー」製作中!著書「ボンクラ映画魂完全版」発売中(徳間書店)